
エアバスは大型のウイングチップで燃費を削減する「シャークレット」を装備したA320の初号機をエアアジアに引き渡したことを発表した。シャークレットはA320ファミリーの新造機にオプションとして提供され、A320neoファミリーでは標準装備となる。
既存のウイングチップ・フェンスの代替となるシャークレットは長さが約2.4メートル。空力性能を向上させることによって燃料消費と排気を削減する。燃料コストを約4%節減できるだけでなく、航続距離を約100海里(約185キロ)延ばし、ペイロードを最大450キログラム増加させる。
シャークレット装備のA320ファミリーに対する高い需要に対応するため、全てのエアバス単通路型最終組立工場でシャークレット装備のA320ファミリーの製造に力を入れる。単通路型機の最終組立工場は、仏トゥールーズ、独ハンブルク、中国の天津にあり、今後米アラバマ州モービルにも建設される予定。
エアアジアはアジア最大手の低コスト航空会社であり、A320ファミリーの最大顧客でもある。同社は2012年12月13日に100機のA320ファミリーを追加発注しており、そのうち36機がシャークレット装備のA320。エアアジアは264機のA320neo、211機のA320と合計で475機のエアバス単通路型を発注している。現在100機以上が引き渡されており、拠点とするバンコク、クアラルンプール、ジャカルタ、マニラ、東京からの路線ネットワークで運航されている。
A318、A319、A320、A321で構成されるA320ファミリーは、単通路型機のベストセラー機。合計受注数は約8,900機、現在、380社以上に5,300機以上を引き渡している。