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長距離飛行における座席の快適性を調査

エコノミー座席のスタンダード幅として18インチを提案

2013年 10月 28日 Press Release

エアバスはこのほど、長距離飛行において、エコノミー・クラスの座席幅が乗客の快適性に及ぼす影響について調査結果を発表し、長距離旅行の快適性を向上させるためには、座席幅の最小基準を18インチ(45.72センチ)に設定することを航空業界に呼び掛けた。

ロンドンのハーレー・ストリートに位置する医療機関、「ロンドン・スリープ・センター」が睡眠ポリグラフ検査(脳波、目、腹部、胸部、腰、下肢の動きの測定など、睡眠時のあらゆる基礎的な生理現象を記録)を用い、特定の乗客に対して実施した調査によると、1950年代の基準である17インチ(43.18センチ)幅の座席と比較し、最小幅18インチの座席では乗客の睡眠の質が53%改善したことを明らかにした。

ロンドン・スリープ・センターのイルシャード・エブラヒム博士(内科・外科学士および王立内科学医師協会会員)は、「違いは明白だった。18インチ幅の座席のすべての乗客が、より深い眠りに入り、乱されることも少なく、より長い睡眠時間を経験した。乗客は通常の睡眠環境における状態と同様に第1次睡眠段階から次の段階に進んだ。一方、17インチ幅の座席では、乗客は睡眠中に多くの障害を受けていた。つまりそれは乗客が深い回復睡眠をあまり経験していないことを意味する。エコノミー・クラスで長距離を飛行する場合、1インチの差は乗客の快適性に大きな違いをもたらす」と語った。

航空輸送は過去50年で大きな変化を遂げた。旅客数が増え、より長距離を移動するようになっている。過去5年間でも、6,000海里(飛行時間13時間)以上のフライト数は70%増加し、1日当たり24便から41便に増加した。1998年には7,000海里を超える便は一切なかった。旅客輸送は今後15年間で倍増し、2032年までに世界中で2万9,220機以上の新造旅客機および貨物機が必要となることが予測されている。

エアバスのケビン・ケニストン快適性担当責任者は、「予測される運航年数と航空機の引き渡しスケジュールを特に考慮すると、航空業界は今すぐに態度を決めないと2045年以降の乗客の快適性を損なうリスクがある。つまり、次世代の乗客が時代遅れの基準に基づいた座席で長距離飛行をせざるを得なくなるということだ」と述べた。

エアバスは長距離用エコノミー・クラスの客室には最少18インチ(45.72センチ)幅の座席を基準として維持している。しかし、他の航空機メーカーは、競争力を維持するため1950年代のより狭い座席幅に戻り、乗客の快適性基準を損なっている。体格指数(BMI)と個人スペースに関する見方の変化は、レジャーや自動車などほかの業界では座席幅の再考を促す要因になっている。また、多くの国際空港で長距離のエコノミー乗客について実施された最近の調査によると、座席の快適性は今や、長距離でエコノミー席を予約する際にフライトスケジュールよりも優先される最も重要な基準になっていることが明らかになった。

ケビン・ケニストンは、「調査で分かったことは、座席幅が乗客の快適さに劇的な影響を及ぼすということだけでなく、長距離飛行で17インチ幅の座席を避けようとするエコノミー旅客が増えてきているということである。彼らは真の座席の価値を決めるため、ソーシャルメディアあるいは専門家のウェブサイトにしばしば目を向けて、より快適な座席を提供する航空会社を選択する。幸いなことに最近の乗客は選択することができるため、第一に快適性を重視する選び方をしている。われわれは長距離のエコノミー・クラスにおける1インチの差により関心を払ってほしいと思っている」と付け加えた。

<調査方法について>

終夜睡眠ポリグラフ検査では、脳波、目、腹部、胸部、腰、下肢の動きの測定など、特定の乗客に対して睡眠時のあらゆる基礎的な生理現象を記録した。試験方式は確立された臨床研究の原則に従った。試験は17インチと18インチの異なるサイズの座席が睡眠変数に与える影響を評価するクロスオーバー試験(交差試験)で、事前に内科的疾患および睡眠障害の有無を検査した6人の健康な成人に対して行った。客室環境は始めから真のフライト環境にできる限り近い状態を作り、照明で夕日と日の出を作り出し、離陸時や飛行中の騒音、機内エンターテインメントやケータリングサービスも再現した。(2013年10月)

研究の参加者は全員健康で睡眠障害がなく平均的な体格指数(BMI)の持ち主で、研究目的は伏せられていた。それぞれが長距離のエコノミー席を再現した環境の中で一連の夜間睡眠を体験した。座席幅の17インチと18インチの違いのほかはすべて統一の条件で試験された。

客観的データ(科学的データ):睡眠の質は最高53%まで改善される。

- 眠りにつくまでの時間(入眠潜時)は、18インチ幅の座席で14.7%(6分間)改善した。

- 入眠後目覚める数(中途覚醒時間)は、18インチ幅の座席で平均28分少なくなった。

- 覚醒指数は18インチ幅の座席で平均53%改善した。睡眠の質を最も敏感に示す覚醒指数は夜間を通じ脳波の乱れる回数と頻度を測定する。

- 脚部の痙攣は18インチ幅の座席で11%減少した。

主観的データ(参加者によるデータ)

- 18インチ幅の座席で、研究参加者の67%がより睡眠の質が良くなったと報告し、86%が睡眠量の改善を報告した。

調査は、4か所の国際空港(シンガポール、シャルル・ド・ゴール、フランクフルト、アムステルダム)で合計1,500人の参加者を募り実施された。