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製品設計

環境管理システム(EMS)のなかで、エアバスは製品のライフサイクル全体に渡って環境に与える影響を評価する方法を確立しました。これにより、エアバスは試験段階に長期的なプログラムを実行することで対処すべき重要な環境問題を把握し、環境保全の具体的な目標を明示することができます。

設計によって航空機性能のあらゆる面における環境への影響が左右されるため、設計段階で環境に対する影響を最小限に抑えることは非常に重要なことです。したがって、環境保護対策は製品開発における最重要課題と言えるでしょう。エアバスの研究開発の主要な構成要素は、調査、試験、検証、そして最新技術を最適化して活用することにあります。これらによって、最大の有効搭載量、航続距離を持ちながら、より騒音を削減し排気量の少ない航空機を製造します。エアバスは、EMSによる製造過程での節減分を全て、環境効率の研究開発プログラムに充てる方針です。

騒音の削減はエアバスが最も重要視する点です。エアバスは低騒音のエンジン・ナセル技術、推力システム、そして騒音処理方法を活用するとともに、エンジン・メーカーと協力して低騒音エンジン技術の開発に注力しています。このような画期的なプロジェクトの一つが、継ぎ目のないインレット技術の開発で、主にエンジンのファンから発生する騒音を削減する事です。この技術はフランスのエコロジー・持続可能開発省から2006年、「製品と新技術」部門で「ゴールデン・デシベル」賞を受賞しました。この技術はA380にも採用され、A380はICAOが定めるもっとも厳しい騒音基準である「チャプター4」より17デシベル低い騒音レベルを達成し、騒音規制の最も厳しい国際空港での基準にも対応しています。

エンジン排気量の削減もまた、エアバスの最重要課題の一つです。最新の素材と製造方法を積極的に取り入れることによって航空機の重量を削減し、燃料消費を抑制することがひとつの方法です。A380は複合材を25%も採用した初めての旅客機です。中央ウィング・ボックスに炭素繊維強化プラスチックを採用することで、アルミニウム合金と比べて1.5トンも重量を削減しました。A380は乗客1人を100キロメートル運ぶのに必要な燃料が3リットル以下(小型ディーゼル乗用車の燃費と同じ)で、非常に優れた燃費性能を持っています。また、乗客1人を1キロメートル運ぶのに排出するCO2は75グラム以下で、欧州の自動車産業協会が2008年に自発的合意に基づいて設定した排出量の約半分に過ぎません。

エアバスはまた、「ACARE(欧州航空宇宙研究諮問委員会)」に協力しています。このACAREは「2020年ビジョン」のなかで、騒音、燃料消費、二酸化炭素を50%、NOxの排出を80%削減することを目標にしています。エアバスはそのため、欧州の主要8企業と共に2006年10月に「クリーン・スカイ」共同技術イニシアチブ(JTI)を立ち上げる同意書にサインをしました。JTIは産業界による7年間の技術研究プログラムのことで、航空輸送における環境への影響を大幅に改善し、技術開発研究を通して騒音、排気、燃料消費の削減を目指します。クリーン・スカイはACAREが目指す目標達成への重要な第一歩なのです。