
太古の昔から人類は必要性にかられて、またその基本的な欲求から旅行することを求めてきました。今でも人々はよりよい生活や知識を求めて、あるいはビジネスのために、家族の絆や友人関係を確かめるために旅をしています。おそらくその中でも最も重要なのは、違う文化を発見し理解することかもしれません。何世紀もの間、旅は長い時間がかかるものでした。それほど遠くない昔、大西洋を苦労して船で渡った人々やワゴンで大陸を横断した人々は、空を飛ぶという奇跡を夢見たことでしょう。しかし、今や世界中のどこに行くのも、迅速に、そして効率的に運ぶ空の旅は常識になり、誰もが当たり前のことであると思う時代となりました。
そうであっても、航空に携わる人々の多くは、環境対策への要求が日に日に増しており、その要求に応えるため環境への影響を少なくすることで経済的、社会的な価値も生み出すことを十分に理解しています。航空機メーカーには技術を開発し、環境に優しい航空機を製造するという本質的な使命があるのです。
こ うした進歩は、成熟した技術をさらに高めていく絶え間ない努力と、最適な新しい技術を徐々に導入していくことで実現されます。この努力は今後も続くでしょ う。しかし、将来の発展をうながす力は、純粋な競争原理だけでなく、今や環境にとって必要なものにまで広がっており、改良を重ねていく研究開発と同時に根 本的な技術の段階的な変化を求めていくことが必要とされています。
そうした実質的な進歩は、既存機からの段階的変化を経て完成した A350XWBやA380に顕著に現れています。現在運航中のA380は、100座席キロごとの燃料消費は3リットル以下で、技術的にはおよそ20年先を 進んでいます。今日、航空業界が新しい製品、例えば新世代の短距離航空機などの開発を考える場合、既存機からの段階的な変化は必要不可欠です。技術革新を 求めるだけでなく、ビジョン、志、確固たる決意も求められるでしょう。例えば排気量ゼロを目指す決意などです。この道に終わりはありません。しかし、エア バスはこの究極の志に向かって進んでいるのです。