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世界最大の貨物輸送機、A300-600ST

世界最大の胴体幅を持つ特別貨物輸送機A300-600STスーパー・トランスポーターは、既存の航空機では輸送できない容積の貨物を空輸する能力を持っています。

「ベルーガ」の愛称を持つA300-600STは、これまではエアバス機のパーツ輸送を行ってきた「スーパー・グッピー」(ボーイング377ストラトクルーザーの改修機)の代替機として開発されたものです。就航は1996年1月。エアバス機のパーツ製造は欧州各地の工場で行われ、完成されたパーツが最終組立の行われる仏トゥールーズと独ハンブルクに空輸されます。この空輸作業を行うのがA300-600STです。

部品やパーツの輸送に航空機を用いたのはエアバスが初めてで、単通路型機とワイドボディー機のパーツ輸送に用いられています。現在の生産レートで、ベルーガは週40回以上のフライトを行います。飛行区間は、仏ナント、仏サンナゼール、独ブレーメン、スペインのヘタフェ、英ブロートン、イタリアのナポリなどから、最終組立の行われる仏トゥールーズと独ハンブルクまでとなっています。

A300-600STはエアバスのワイドボディー双発機A300-600Rをベースにした改造機です。エンジンはゼネラル・エレクトリック製CF6-80C2を搭載。メインデッキの貨物室内の容積は、ロッキードのギャラクシーやアントノフAN-124、C-17をも上回る1,400立法メートルを誇ります。積載量は47トンで、航続距離は1,660km。大西洋横断飛行などの場合は31トンなります。

エアバスは子会社のエアバス・トランスポート・インターナショナル(ATI)を設立し、A300-600STをエアバス機の輸送業務以外でも利用できるようにしました。ATIは迅速で安全な大型貨物の輸送を顧客に提供し、過去の実績が示すとおり、そのサービス内容も高く評価されています。2002年度には軍事用衛星の「スポット5」を南仏トゥールーズから仏領のギアナまで空輸した他、2機の捜査・救難用ヘリコプター「シーキング」を欧州から東アフリカまで運びました。1999年には、ドラクロワの歴史的傑作「民衆を導く女神」をパリと東京で往復輸送しています。

2003年2月、ベルーガはチャーター便として最長となる25時間の飛行を行いました。これはフランスのマルセーユからオーストラリアのメルボルン近郊で開催された「アヴァロン航空ショー」の会場までを飛行した際の記録です。その際、ユーロコプターのヘリコプターを3機輸送しました。また、2004年にはロシアのバイコヌールにアストリウム社製の衛星を3基運ぶために3往復しています。さらに、2005年9月、米南部を襲ったハリケーン「カトリーヌ」の被災地に30トン分の救援物資を緊急空輸した他、今年4月にはベルリンで開催されたエジプト展のため古代遺跡を運んでいます。

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