
短距離、中距離、長距離のどの路線にも対応するA310とA300-600は、エアバス最初のワイドボディー双発ファミリーで、航空会社に高い融通性、経済性、信頼性を提供します。
A300とA310はこのクラスの航空機の中で最大の胴体幅(5.64m)を持ち、ファースト・クラスとビジネス・クラスの全乗客に窓側か通路側の席を提供します。エコノミー・クラスの場合は1列8座席仕様となり、1座席あたりのスペースが競合機よりも広くどこに座っても通路まで1座席以上離れることはありません。客室内は極めて静かで、燃費性能の良さも環境保護に貢献しています。さらに、このクラスの航空機では唯一となる業界標準のLD3貨物コンテナを下部デッキに平行収容できます。この客室の広さは長距離旅客機のA330とA340ファミリーの客室の快適性に受け継がれています。
A310の初号機は1983年に商業運航を開始しました。座席数は220座席、航続距離は5,200nm/9,600Km。A300-600の初号機は1984年に商業運航を開始しています。座席数は266座席で、航続距離が4,150nm/7,700Km。A300-600の貨物専用機は54.5トン以上の貨物を輸送します。こちらは1994年に運航を開始し、その後貨物輸送機のベストセラーになりました。世代交代を迎えたA300/A310は2007年7月、A300の最終号機を引き渡して生産を終了しました。

A310とA300-600は貨物専用機としても改修型の中古機としても人気が高く、合計で200機以上が改修されています。残余価値(耐用年数や再販価格)を維持する上での重要な要素は、航空機の改修余地がどれくらいあるかということです。こういった中でエアバスの貨物機の市場占有率は中型の貨物機市場で50%以上を占めています。
2発のA300とA310のエンジンは、ゼネラル・エレクトリック社製CF6-80C2エンジンとプラット&ホイットニー社製PW4000から選択します。両エンジンとも180分のETOPSを獲得しています。さらに、A310とA300-600は同一のコックピット、操縦性能、システムを備えているため、パイロットはどちらか1機種が操縦できれば追加訓練なしで他機種も操縦できるという「クロス乗務」が可能です。整備に関しても、同一の整備員が両方の航空機を担当することができます。
A300とA310を運航する会社は、定期便運航会社、チャーター便運航会社、貨物輸送会社、軍隊と多岐にわたり、世界で約80社が運航しています。A300/A310ファミリーの持つ広い胴体幅と双発機としての経済性は軍用としても最適のもの。加えてA300-600貨物機や大型輸送機のA300-600STスーパー・トランスポーターも軍用輸送向けに利用可能です。